青森県六ケ所村の再処理工場審査、事実上の「合格」、そろそろ稼働する?

先ほどWeb東奥の速報で、「再処理工場審査 事実上の『合格』/規制委」の記事を見つけました。
https://www.toonippo.co.jp/articles/-/351559

ANNニュースでも取り上げられています。

今後の稼働までの流れは?

今後の稼働までの流れを説明したいと思います。

STEP1:夏頃までに意見募集や意見聴取

※再処理工場の安全審査:事実上合格となっていますが、正式には以下のパブリックコメントの募集や意見聴取が残っています。それを終えると審査合格となります。

原子力規制委員会HPより抜粋

STEP2:設計および工事の方法の認可(設工認)等

詳細設計の許認可手続きを行う必要があります。
※設工認の審査とは?以下参照

設工認の審査については、事業指定(変更許可)に係る審査が進み、新たに規制対象
となる設備・機器等の整備等に係る審査資料の提出を経て、再処理施設に関する設計及
び工事の方法が許可等を受けたところによるものであること、技術上の基準に適合す
るものであること並びに設計及び工事に係る品質管理の方法及びその検査のための組
織が技術上の基準に適合するものであることの確認を行う。

使用済燃料の再処理事業に関わる審査業務の流れについてhttps://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/unten.html

設計および工事の方法の認可が終わった後に「安全性向上工事」が行われます。

※認可は複数回に分けられる為、認可と安全性向上工事が平行して行われるイメージです。

STEP3:使用前検査

実際にしゅん工を迎える前に「使用前検査」と言われる検査があり、それに合格する必要があります。使用前検査を終えると「しゅん工」という定義となります。

STEP4:青森県や六ヶ所村、隣接する自治体との安全協定

工場が稼働できる状態になった後に、青森県、六ヶ所村、隣接する自治体との安全協定を締結する必要があります。三沢市も含まれます。

STEP5:再処理工場の操業

上記のSTEP1~STEP4までの工程を終えると、実際に再処理工場が操業致します。

早ければ2021年下期に竣工する。

再処理施設の使用計画

上記は、日本原燃(株)が原子力規制委員会に提出している「再処理施設の使用計画」の最新版(2020年1月)で、これを見ると2021年の下期から再処理をする事になっています。

再処理施設の使用計画(最新版)は以下からダウンロード可能です。

スケジュールは延期になるかもしれませんが、再処理工場の稼働は現実的になってきました。ここ数年で竣工を迎える可能性もあります。

おわりに

私は2016年まで日本原燃株式会社に勤務していましたが、当時は「安全審査通るのかな?」とか「国に止められてるんじゃないか?」とか色々陰謀論的な事も考えていましたが、審査が終わり、稼働に向かっています。

パブリックコメントを募集する為、色々な団体からコメントが入る事は間違いなさそうです。

今後の設工認の業務量を正確に把握していませんので、何とも言えませんが、ここ数年以内に工場が稼働する可能性があるフェーズに入ってきたと感じています。

実際稼働する場合には六ヶ所村の隣の「三沢市」の環境対策は必須になると考えています。
⇒福島のような風評被害等が懸念される事項です。

もしかすると、将来的には原子力対策特別委員会なるものが出来るかもしれません。

投稿者プロフィール

久保田隆二
久保田隆二
三沢市議会議員(1期目)。32歳。1989年(平成元年)生まれ。
古間木小学校⇒第五中学校⇒三沢商業高校(情報処理)⇒八戸工科学院(制御システム工学)を卒業後、六ヶ所村の日本原燃(株)で約5年間勤務、その後、社会課題解決に興味を持ち、東京のIT関連会社で約2年勤務し、2019年に三沢市へ帰省。
2020年3月に三沢市議選挙で初当選し、市議会議員として活動中。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)